2024.11 詩人谷川俊太郎さんの訃報記事に感慨……
11月13日、詩人谷川俊太郎が亡くなられました。
訃報を知らせる新聞記事やコラムにもありましたが、谷川さんは現代詩人の中でも特別な存在、特異な才能の方だったように思います。私たちの身近にある言葉、平易な言葉によって詩を紡ぎ、ありきたりでない世界を見せてくれた詩人であったように思います。
私が、谷川俊太郎さんに関心を持ったのは、高石ともやとざザ・ナターシャーセブンが、「107ソングブック・シリーズ」のレコード化で、谷川さんとともやさんの訳詞によってリリースされた「マザーグース編」を聴いてからかもしれません。
高石ともやさんが亡くなられた時にもこのブログで書いたことですが、多分78年だったかに円山野音での「昼下がりコンサート」に参加したことがありました。ナターシャーセブンの「107ソングブック・シリーズ」のレコードを集め始めたのはそれからで、当時は発売直前だったか、発売が始まったばかりの頃で、私の30代をほぼほぼ使って買い集めたように思いますが、「マザーグース編」はとりわけ印象的でした。
私がちょうど40歳の頃に子ども劇団「はんぷてぃ・だんぷてぃ」を立ち上げましたが、劇団名は谷川さんの「ハンプティー・ダンプティー」の訳詞が、目指す劇団の姿にぴったりではないかとのインスピレーションを受けたからにほかなりません。
因みに、その訳詞というのは……
〽 ハンプティー・ダンプティー おでぶちゃん
へいの上から おっこちた
王様の馬も 兵隊も
元にもどせぬ なぜだろう
というものです。もちろん、レコードではこの歌詞でナターシャーが歌っています。
「ハンプティー・ダンプティー」はマザーグースの中の〝なぞなぞ歌〟に分類されるものだそうで、答えは〝たまご〟ということですから、子ども劇団の名前にはぴったりだと思った次第です。
劇団を作ってからは、谷川さんの詩集「ことばあそびうた」は発音練習の必須アイテムとして、稽古で頻繁に使わせていただきましたし、現在も、時折行っている放課後こどもクラブのメニューにも入れさせてもらっています。
谷川さんは、故岸田今日子さんが代表をされていた演劇集団円へも子どものための戯曲を提供されてもいました。谷川さんの創造作品の対象は、実に広かったなと改めて思います。ご冥福をお祈りいたします。合掌
この記事へのコメント