2024.5 背炙山風力発電学習会に100人以上が参加、計画推進に疑問・反対の声が多数

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 5月26日、市内東公民館で「風力発電学習会」を開催しました。現在、背炙山で進められている風力発電計画の全体像が、あまり市民に知られていないことから、計画に内包するそもそもの問題について知ろうではないかと考え、行ったものです。
 受付を担当した方の話では、用意した100部の資料は全部使いきり、お渡し出来なかった入場者もおられたとのことで、多くの方に関心をもって参加をいただき大変良かったと思います。

 学習会は、私が司会進行を担当して始まり、まず実行委員長の管文雄さんが挨拶しました。
 菅さんは、「陳情、要望などの形で風力発電計画に対する疑問や問題点を指摘したにも拘らず、市にも議会にもそのことに真剣に向き合う姿勢が見られなかった」と市と議会の現状を批判し、未来の会津若松市を真摯に考える方々と共に、「風力発電の功罪」を考える学習会を企画したと述べました。

 講演は3名の先生にお願いし、まず最初に福島大学共生システム理工学類教授柴崎直明氏による「風力発電と地質・地下水について」と題して講演していただきました。
 柴崎先生は、地下水盆管理学、水文地質学、応用地質学がご専門で、福島第一原発に溜まり続けた放射性物質を含んだ水の海洋放出を巡る問題では、当面約10年の中期的対策として、サブドレン(原発建屋周辺の排水井戸)の増強での地下水の管理。そして、100年を見通した長期的対策として、地中連続壁を用いた広域遮水壁と集水井を設置するという抜本的な地下水流入防止策を講じるべきとの提案をされていることでも知られています。講演では、背炙山の成り立ちや特徴などにも触れていただきながら、風力発電の影響についてお話いただきました。
 背炙の風力発電予定地には、主に白河火砕流が分布し、地下水への影響、また地すべり地形が多いことなど、調査や注意が必要なことがあると指摘されました。 
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 2番目には、「猛禽類の行動圏 内部構造について」と題して菅家博昭さんに講演していただきました。
 菅家さんは昭和村小野川在住で、からむしとカスミソウを栽培する一方、「会津学研究会」の代表として、地域の中でひっそりと息づいている文化や暮らしを掘り起こし、光を当てるなど多方面で活躍されています。
 本年2月、イヌワシ研究家でもある菅家さんは、風力発電所の建設計画が進む東山地区で国天然記念物イヌワシのつがいが確認されたとして、イヌワシの保護と発電所建設の阻止を内堀雅雄知事に申し入れられたことで知られています。講演では、環境アセスメント法と猛禽類保護の課題などについてお話しい ただきました。
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 叶さんは、熊本県のお生まれで、2021年2月に、東京足立区から会津若松市へ移住され、その年の12月には会津若松市から会津観光大使の委嘱を受 け就任しておられます。本業は写真家で、公益社団法人・日本写真家協会会員で、全国各地で多彩な個展・写真展を開催しておられます。今回の講演は、背炙山における風力発電計画に関連し、国指定の希少動植物、絶滅危惧種であるクマタカの調査が不十分であることを、叶さんご自身が実態調査をされ、様々な形で情報発信されていることを知りお願いすることになったものです。
 背炙山には8つがいのクマタカが営巣しており、全国に誇る〝クマタカ銀座〟であるとの指摘が印象的でした。

 お三方の講演終了後は、質疑応答の時間を設け、高校生など若い方も含め約10人ほどの方が、講師の先生に質問をされました。
 質疑応答により講演の内容が深まったのではないかと思います。
 間もなく会津若松市議会6月定例会議が開会しますが、6月10日に行われる一般質問では、今回の学習会の内容も踏まえた背炙山風力発電計画に関する質問が取り上げられるようです。どのような答弁を引き出せるか注目したいと思います。

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