2021.6月定例会、統一保険料など国保運営の課題、新型コロナの国保加入者への影響の現状と対策などで一般質問

 6月10日に開会した市議会6月定例会は、一般質問、総括質疑、各委員会審査を終え、25日に閉会しました。
 私たち日本共産党会津若松市議団は、令和3年度一般会計補正予算(第5号)の1件に反対し、原田俊広議員が討論を行いました。その反対の理由等については別の機会にお伝えしたいと思います。
 今回は、15日に行った私の一般質問のうち、「国民健康保険事業運営について」の概要について紹介します。質問の通告内容については、以前の記事をご覧いただけばと思います。
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都道府県単位化になっても厳しい国保税の現状は変わらず

 国民健康保険制度(国保)は、1961年(昭和36)にスタートした当初、国庫負担が国保収入の70%ありましたが、1984年(昭和59)を境に低下し、現在は23%前後しかありません。そのため、2018年(平成30)から国保新制度である都道府県単位化が始まっても、「払いたくても払えない高い国保税」の状況は変わっていません。
 都道府県単位化後、国保事業運営においては、県と市町村との協議で決められる都道府県の国保運営方針が決定的です。
 私は、本年3月に見直しが行われた福島県国保運営方針のうち、とりわけ統一保険料、収納率向上、地方単独事業の公費化は、加入者の更なる負担に繋がる恐れがあるとして、市の認識と対応について、また、現在進行している新型コロナウイルス感染症拡大が国保加入者に与えている影響に対して、どのような支援策を取り、その支援策あるいは救済策の周知は十分か、などについて質問しました。

市の国保財政は県統一保険料で厳しくなると市長も認識

 私が、県の運営方針見直しとの関係で、今後の国保事業収支見通しをどのように考えているのを質したところ、市長は、次のように答弁しました。
市長 / 収支見通しの積算では、被保険者数の減少による国保税や保  険給付費の減少を見込むとともに、統一保険料に向けた取組によって厳しい財政状況になることが見込まれる。

令和5年度収納率94.54%は極めて実現困難な目標値!
 市の国保税収納率は、令和元年度決算で、現年度分91.4%(前年度比 0.3ポイント減)という現状ですが、県の運営方針は、令和5年度に94.54%にするという目標を設定しています。その差3.14ポイントは大変大きく、金額にすれば6億7,700万円にもなります。滞納分と現年度分を合わせた収納率は、令和元年度決算で71.7%(前年度比 1.1ポイント減)と更に低くなっている中、現年度分だけとはいえ、収納率目標94.54%は、極めて高い目標です。これを基本に県への納付金も算定されることになれば、国保税率の更なる引上げ、また差押や差押財産を競売にかけての換価など、加入者の新たな負担、滞納者への一層厳しい対応が生じることになります。

市は改めて傷病手当金制度の周知を図るべき
 私は、新型コロナ感染拡大による収入減の影響が国保加入者にどう表れているか、国保税の減免申請、納税猶予申請などの状況を質した上で、傷病手当金の申請状況についても質しました。
 これに対して市長は、減免申請・許可件数は増加しているが、傷病手当金の申請件数はゼロ件であることなどを示しました。

 傷病手当金は、新型コロナウイルス感染症により労務に服せなくなった場合に給与分の約7割を支給するものです。市は、この制度について昨年度前半に市民への周知を図りましたが、あまり知られていないのが実情です。感染拡大の影響が出ている今こそ、改めて制度の周知を図るべきです。
 このほか、私は、来年4月から始まる未就学児の国保税均等割負担半減の対象年齢拡大などを求めましたが、市
長は、「引き続き国に対象年齢の拡大を求める」と答えるにとどまりました。

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