農業委員会行政調査で相馬の被災地を訪問

画像11月6日、県下農業委員大会終了後、農業委員会の行政調査として相馬市を訪問しました。
相馬市観光課職員の菅野(すがの)さんと相馬市山上公民館で合流し、防災備蓄倉庫(1万人分の食料と水などを3日間分を備蓄)を見学し、松川浦方面に向かいながら、今年から作付が始まった水田の刈り取りあとなどを車窓から見学しました。
作付が出来たのはまだ一部の水田ですが、説明によると、津波被害によって水田土壌のpHが4.5ぐらいになっていたのを、東京農大の研究・協力に基づき、スラブ(鉄粉)を水田に散布・撹拌して落水することによって6.3に改善でき、水稲の作付が出来るようになったとのことです。

その後、和田地区の観光いちご園に伺い、震災語り部の方から3.11当日の津波被災の状況や、復旧・復興に向かう気持ちの変化など、まさに被災当事者ならではの話に涙が出ました。

画像さらにその後、私達は原釜・尾浜海水浴場に建つ慰霊碑の前で、津波によってその付近の住宅350世帯が流され、現在、7mに嵩上げ工事をしている防波堤の様子や住宅地を高台に造成している様子などを見学しました。慰霊碑には、津波で犠牲となっった453名の方の名が刻まれているそうです。(写真1枚目、2枚目とも原釜・尾浜海水浴場慰霊碑前から)

画像菅野さんは、地震・津波・原発事故による風評被害の三重苦にあい、中でも一番大変なのが風評だと言っていました。風評は未だに会津においてさえそうなのですから、よく分かります。
この日宿泊した松川浦のホテル「夕鶴」では、今年5月に首都圏から来た一行の中に、この魚介類はどこで獲れたか、野菜はどこの物か、水はここの水かなどと聞き、結局食べ物には何一つ箸をつけず、ビールだけ飲んでいた人がいたという話を聞きました。原発事故がもたらした風評の根深さと深刻さを改めて実感しました。(写真3枚目は朝日の昇る穏やかな松川浦、11月7日撮影)

下に、松川浦を襲った津波の様子を紹介しているYouTubeの映像を貼っておきました。
http://m.youtube.com/watch?v=3mOEjLjtY_c

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