湊地区の水道整備に向けて一歩前進

画像  9月25日、5日から21日間の会期で行われていた会津若松市議会9月定例会が閉会しました。
 この議会での私の一般質問テーマは次の3件でした。
①湊地区における給水施設の整備について
②国民健康保険制度の広域化について
③消防操法大会への支援の強化について

 このうち、「湊地区における給水施設の整備について」の質問では、湊地区の長年の課題であった水道整備に向けて、行政の責任を明確に打ち出し、今後、年次計画で整備にあたるという当局答弁を引き出すことができ、地区の皆さんからも歓迎されています。
 以下に、質問原稿と、答弁の概要について記します。

【質問】湊地区における給水施設の整備について
 湊地区においては、未だ住民人口の約4割が飲料水の確保が困難な状況におかれています。それらの方々は沢水や浅井戸による、決して水質が良好とは言えない水源に頼り、日常生活において大変な苦労をされています。科学技術が発達し、ICTを活用した未来志向のインフラ整備が進む現代において、今もって飲料水の水道施設の整備がされていないという状況は、行政が責任を持ち一日も早く改善しなければなりません。
 会津若松市議会は、湊地区における市民との意見交換会を通じて、同地区が長年にわたり飲料水の確保に困難を極めている状況を改めて認識し、昨年7月、湊地区における水資源問題に係る検討委員会を設置しました。そして、現地調査や地元区長会との懇談会、また、これまで市が行ってきた湊地区統合簡易水道整備計画など、同地区の給水施設整備に係る取り組みの経過等を聴取し、本年5月までの間、17回にわたり委員会を開催し、湊地区の給水施設整備がどのようにあるべきか検討を重ねました。
 その結果、委員会では、第1に、対象集落では、「蛇口をひねればいつでも安心・安全な水が出る状態」が実現されるべきである、第2に、衛生的な飲料水供給は生活するための最低限の社会資本であることから、対象集落での施設整備は、これまでの市の補助制度による集落主体ではなく、給水区域と同様に市の責任で行うべきものである、など4点の合意形成事項がまとめられ、議会はこの内容を中心とした決議を6月議会において全会一致で採択いたしました。誰もが当然と考える内容が、ここにはあったからであります。
 そこで、湊地区が、なぜ飲料水にも事欠く状態に置かれたままになっているのか、湊地区において給水施設整備が進まなかった理由についての認識をお聞きします。
 議会が設置した湊地区の水資源問題に係る検討委員会においては、給水施設工事費補助金の交付等に関する要綱が地区(集落)任せで整備を進めるためのものになっていることや、補助の対象が給水施設整備の水源及び配水池に限定され、配水管整備などが補助の対象外になっていること、またボーリング調査など水源確保に係る費用が補助額上限の範囲では不十分であることなどが指摘されました。補助要綱におけるこれらの問題に対する認識をお示しください。
 また、先ほど紹介した議会による湊地区の水資源問題に関する決議に対する認識と、安心安全な飲料水を市民が安定的に確保できるための施設整備についての市の責任についての認識をお聞かせください。
 さらに、本年7月8日、湊地区区長会は、市長に対し湊地区における給水施設未整備地区の早期解消に向けて、4項目からなる陳情を提出しましたが、その陳情に対する認識と今後の対応をお示しください。
 中項目の2点目として、湊地区の給水施設整備に係る新たな方針と計画についてお聞きします。
 湊地区の給水施設整備について、整備手法や財源のあり方、整備完了年次など、今後どのような方針と計画を持って進めるつもりなのか、その考えをお示しください。
 湊地区以外にも、本市には一箕地区や大戸地区、河東地区の一部に給水施設が未整備となっている地域があります。湊地区における給水施設整備の行方は、これらの地域の方々にも大きな関心を持たれています。市長の明快かつ明確な答弁を求めるものであります。



【健康福祉部長による答弁概要】
≪補助要綱に対する認識≫ 現行の市の給水施設工事補助金の交付等に関する要綱は、赤井及び共和地区の農業集落排水事業に伴う給水施設の新設等に対する補助から適用されたものであり、湊地区における一部の集落では要綱に基づく補助制度活用による整備を取組んだ経過にある。
 一方、平成24年度に現地調査を実施した結果、安定した水源がなく、給水施設のない地区や、配水管設備が老朽化している地区などでは、水源確保や、配水管設備の更新費用が高額となることが明らかになり、現行の補助限度額内での整備が困難な状況にあると認識している。
 また、老朽化した施設等の整備については、各地区の現地調査を踏まえ、現行補助制度の精査・見直しを図っていく。

≪議会の決議都市の責任への認識≫ 議会の「湊地区における給水施設未整備地区の早期解消に関する決議」を踏まえ、市の責務として、地区の協力をいただきながら、地区の実情に合った施設整備の方向性を明らかにした提案を行っていく。
≪区長会陳情に対する認識と今後の対応≫ 市としては、給水施設未整備地区の早期解消を目指し、行政のかかわりの強化とともに、陳情の趣旨を十分踏まえ、現在、その具体的な整備手法について、様々な観点から検討しているところだ。
≪給水施設整備に係る今後の方針と計画≫ 湊地区における水源確保については、今年度より、水源調査を実施しているところであり、引き続き調査が必要と考えている。
 今後、24年度の現地調査の結果等を十分考慮し、短期的、中・長期的視点に立った年次整備計画を策定し、早期に、安全で安定した飲料水の確保に向けた考え方を示す。

この記事へのコメント

鈴木 孝二
2021年11月21日 14:41
頑張ってください。

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